上京する時、父に「お前は体が弱いんだから、気をつけろよ」と言われた。
僕は小中高とときどき仮病を使う子どもだったので、そのことを言っているのだと思っていた。申し訳ないけど、あれは仮病だったんだよ。見た目痩せてて病弱そうに見えるけど実はそんなに風邪ひいたりしないし、ジョギングとか好きだし、割と体力あるよ、と思っていた。実際、上京後数年はほぼ風邪もひかず、病院に行ったりすることもなかった。
ところがここ数年、父親の言っていることは正しかったなと実感することが多い。10年くらい前から徹夜できなくなったし、息子が幼稚園に行くようになってからは流行の時期にだいたい風邪をうつされるようになった。ここ数年、ちょっと無理すると必ず倒れ、ときどきは入院までしてしまう。
親というのは子どもが思っている以上に子供のことをわかっているのかもしれない。人間関係や細かい感情の動きというようなものはさておき、赤ん坊のころから見ていると大づかみにその子のことが解るというか、結局人間としての傾向は生まれてからあまり変わらない気がする。
僕の息子は隣のおばさんにほっぺたをつつかれただけでギャン泣きするような赤ん坊だった。今は少し克服したけど、あいかわらず人見知りの傾向がある。ズリバイの時期が長くなかなか立とうとしなかったし、歩かなかった。今もストライダーで自転車に乗れるバランス感覚はついているはずなのに、漕がない。高いところから飛び降りたりしない。超慎重派。こういうのは本人の自覚である程度は改善できても、根っこは変わらないのだろうなという気がする。
僕が父に言われた「体が弱いんだから」もそういうことだったのだ。仮病を使いたくなるということは、自覚できるレベルまでは達してなかっただけでやはりどこか具合が悪かったのだ。根性とか負けん気とかいろいろいい方はあると思うけど、基本的に体力がない。徹夜や長い時間の集中が、自分が思っていたより早くできなくなって、SNSで同世代の人が馬車馬のように働きまくっているのをみると羨ましくてしかたがないことがある。今の技術に20代のころの体力があればなあ…もっと沢山、いろんなことができるのに…と。
ジョギングや筋トレでこれ以上の体力低下に歯止めをかけつつ、できることの組み合わせで、効率よく戦っていくしかないんだけど。
この先どうしようかなあ〜というのを、最近よく考えます。